2020年4月20日月曜日

TS保険(等)に意味はあるのか


 無くはないでしょうけど。

 諸々に法的な自転車情勢は変わっていくものですが、2020年4月1日から東京都で自転車保険の加入が義務づけられました。私は東京都民ではないので即座に影響はないのですが、ニュースだと「東京で春から自転車保険が義務づけられました~」みたいなノリで報道がされていたので、他道県(府は両方とも義務)も続く可能性はあるでしょうね(というか、奈良と愛媛も同時に義務化らしいんですが、東京のニュースってなんでこうアホほど全国区で大々的に流すんですかね)。
 これで東京都の自転車ユーザーはみんな保険入るのかという問題はありますが(たぶんほとんどが「知りませんでした~(笑)」「今度やっときま~す(やらない)」で入らないんでしょうけど)、たぶん一番手軽に勧められるのはTS保険かなと思います。月額とかでもないので払いやすいというのもありますしね。
 このTS保険、有資格者による整備と同時に付帯します。つまり、シールを貼り付けた時点では、おそらくJIS規格上などで問題ない状態に仕上がっているのだと思います(たぶん)。でも自転車って、そこから色々要素が変わりますよね。なにがしか(何とは言わない)あってホイールに蹴り一発入っただけで「破損→落車→怪我あるいは」というコンボ(因果関係については自分でお考ください)があり得るわけですし。調整でサドル上げ下げしただけでもトルクが適切か(&調整幅をオーバーしていないか)という問題が発生しますし、ワイヤーの品質による初期伸び問題だの、空気圧によるタイヤの摩耗速度だの、走行ルート・距離による車体全体へのダメージ具合なんかもありますし。
 そもそも、ブレーキ一つとっても遊びの設定とか、整備してくれた人と乗り手で感覚が変わってきますよね。制動の下限限界はJISで決まっているので関係ないですが、「ディスクブレーキの制動力なんていらねーよ」と言っている人も割合いるわけで、絶対的な上限値も個々人によって違います。
(※余談気味ですが、自分はブレーキについては強力であればあるほどいい、というスタンスです。ブレーキ効き過ぎであぶねーよという意見が当然あるでしょうが、効かないブレーキで止まるのは不可能ですし、コントロールが不可能なわけでもないですし。
 そもそもパニックブレーキにならないように運用すればいいわけで、それを念頭に運用する必要があると思います。もしパニックブレーキになっても、止まらないでどこか、むしろ誰かに突っ込むよりも勝手に転倒して自爆だけで済ませてもらった方がいいでしょう)
 ブルべをやっている人のネットの書き込みで、「雨の中をキャリパーブレーキで走ると一回でブレーキシューが無くなる」みたいな話を見ます。自転車を購入していきなり雨中を数時間走るようなことがあったとしたら、一日で性能が大幅に悪化する可能性も無くはないです。自分で調整できなければ、翌日大事故なんてこともあり得ますよね。自爆か、他者を巻き込むかまではわかりませんが。というわけで、TS保険に果たしてどこまで意味があるのかというのは、組み立てから何から自分でやっている人間としては謎な感じです。補償の意味で言えば、頭の文で書いたように無意味ではないんですけどね。保証や保障の意味ではなんか絶対ではないよなと。

 というか、自転車保険って何が何だかわかんないんですよね。個人対象か家族まで対象かという「人員」についての説明は結構どこの保険でもあるんですが、「車輌(台数)」をどこまでカバーするのかという説明を一切見た覚えがありません。普通に家族まで対象にするのなら、さすがに一台を乗り回すような状態を想定しているとは思いませんが(子供用自転車に大人が乗るのも、その逆も辛いですしね)、一人で複数台を所持している人は割合いるようですし(SBAAの子供乗せ電アシで保育園の送り迎えからパリルーベやPBPまで使えるなら別でしょうが)。
 まあ、完全義務のエンジン付きでさえ微妙な感じですが。少なくとも対象の主体は車輌の方だというのは確かなので、後は付帯範囲だという感じなのはわかりやすくはありますね(他人の車を運転していた場合の規約なんかもあるようなので、私個人としてはまだまだ微妙な感じはありますが)。保険会社には、この辺りも明確にして欲しいところです。
「自転車(笑)」みたいな感じなのかもしれませんけどね。

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