2020年4月25日土曜日

自転車は「エコ[どの?]」なのか

 その前に、エコって何かなと思うのですが。
 たぶん、文脈的には「エコロジー」の方なのだと思います。けれど、どうも多くのユーザーとか消費者側からの感覚としては「エコノミー」の方が近いように思えてなりません。

 エコロジーかどうかで言えば、圧倒的にエコだと思います。自動車を一台作る材料とエネルギーでシティサイクルが何台できるか。ちょっと試算するのは難しい気もしますが、単純に重量で計算するなら1t=1000kgを15kg~20kgで割ればいいだけです(大体50くらい?)。まあこういう事を言うと「一緒にするな」とか言われそうなんですが、安いシティサイクルの鉄フレームも自動車のフレームも同じハイテンスチール(高張力鋼)です。材料的には大して変わらないはずです。作業エネルギーは、自転車の方がだいぶ低いのではないでしょうか(たぶん溶接のエネルギーは段違いに低いのでは)。
 これがカーボンフレームになってくると果たしてどうなのかわかりませんけどね(一般的なドライカーボンは「全体が収まるサイズの釜」が必要になるらしいので)。こっちは比較対象(製造エネルギーでしょうけど)を何にすべきかわからないので、ちょっと計算は難しそうです。

 さて。エコノミーの方。
 ずっと思っていることですが、自転車は決してお財布に優しくはないと思います。
 もちろん、エンジン付き車輌と比べると車体自体は非常に安価です。大体、ミドル(エントリー?)グレードのロードバイクと安価の原付が同じくらいですかね。というか、20万出せば大抵の人は満足できる自転車が購入できてお釣りが来ると思います。200万出せば言わずもがなでしょう。
 ただし、消耗部品はめちゃ高いです。スポーツ車系のタイヤなんかを価格換算すると、そこそこいいのを付けようとすれば自動車のタイヤ一本より高いです。ドライブトレインもエンジン付きだと極端に無視しない限りは問題が起きないでしょうけど、自転車は結構損耗が激しいように思います。
 というか、一番みんなが気にしている割に気にしていないように見えるところがエネルギーなんですが。大体ガソリン1L=150円(時価なので適当な参考値)だとして、カタログ値は当てにならないにしても50cc~125ccなら実質30kmくらいは優に走れるのではないでしょうか。
 対して、大体想像すればわかると思いますが。「コンビニでおにぎりかペットボトルどっちか選ばせてやるから自転車で30km走ってきてよ」と言われたら絶対にムリでしょう。いや、できるでしょうけど、それは元々その人が持っていたエネルギー分をかなり多く使ってのことだと思います。実は畜産(特に牛)というのは非常に多くのCO2を排出していることが試算で解明されてきているそうなのですが、ガソリン1Lを精製するエネルギーとおにぎり一個を作るエネルギーは、ひょっとしたら後者の方が高くなる可能性すらあります。もちろんガソリンを燃やし続けるのはエコロジーではないでしょうが、実質のランニングコストは自転車の方が高い可能性もあります(エンジン付き車輌に乗っていたらおにぎりを食べなくていいわけではないですけどね)。
※そもそも、「ものを燃やす」というのは安価かつ小さな入力で大きな出力を得る方法(全体的なエネルギー価はロスを考えるとマイナスでしょうが)でもあります。銃器が未だに火薬実包なのも大きな要因はそれでしょう。

 このように、自分としては「自転車はエコか?」と問われると首をかしげざるを得ません。
 と言っても、最高速度がかなり鍛えて40km/hまでしか行かない乗り物である自転車は、このクソ狭く制限速度の低い日本の道路交通には合っていると思いますけどね。

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